ぶた猫ぶーにゃんの社会的マイノリティ研究所

私、ぶた猫ぶーにゃんの「社会的マイノリティ」について考えるブログです。主に社会的マイノリティ、そして彼ら彼女らを侮辱する「毒オトナ」について綴っています。

先日放送されたNHKスペシャル「発達障害」の感想。

こんばんは。前回記事から1週間くらいたったが、まだ体調は本調子とは言えない。
姉妹ブログ(ゲームと趣味)は先日更新したが、こっちのほうは発達障害にHIKIKOMORI問題にそしてある著名プロサッカー選手による自殺問題の「主流秩序に基づいた説教ツイート」問題などなどいろいろ綴りたいもののどういう文章構成にしようか迷って結局何も綴れないんだよなあ…

さて、今回は、先日放送されたNHKスペシャル発達障害」について綴る。
結論から言うと、
とてもよかった。

ここからは長くなるので折りたたみます。

NHK発達障害を大きく取り上げるキャンペーン開始

番組の感想を綴る前に、今回のNHKの企画について綴りたい。

www1.nhk.or.jp

実は、今回のNHKスペシャルだけでなく、NHKの様々な番組においてこれから1年間、「発達障害」について集中展開をするそうだ。

ああ、これは10年以上前のキャンペーン「ひきこもりサポートキャンペーン」をほうふつとさせるなあ。

sgtyamabuunyan2nd.hatenadiary.jp

発達障害というものが何なのかを可視化

番組では、発達障害当事者の視界や音の状況がどのようなものか、番組視聴者に対して「可視化」することが試みられていた。

中でも、私が一番印象に残ったのが、「周りの客たちの話し声などが聞こえる喫茶店の中で、有働由美子氏の話し声がどのように聞こえるか」を可視化したものだった。

「普通」の人=定型発達者の聞こえ方は、「周りの客たちの話し声を排除し、有働氏の話し声だけを集中的に聞く」ように「調整」する。番組ではこのメカニズムを「慣れ」と表現した。
しかし、発達障害当事者の場合、どうしても有働氏の話し声だけでなく、周りの客の話し声やその他の声・音も几帳面に拾ってしまうのだ。

この状況を見て、「自分もまさにその通りだ」と思ったわ。
私の場合、仕事中に上司などから話を聞くのだが、どうしても他の音なども混ざってしまい、ぱっと聞いて一発で理解できないことが多い。
で、「スミマセン、モウ一度話シテモラエマセンカ」と尋ね、「あんたちゃんと話を聞いているのか」「さっき話したばかりじゃないか」と怒らせてしまうのだ…
弟からは「ちゃんと耳垢の掃除しているのか?」とまで言われてしまった…
こういう場合は、「メモを取ればいいのではないか」とアドバイスされるのだが…
そもそも「話を聞きながらメモを取る」ことそれ自体が発達障害当事者は苦手なのである…

発達障害界隈の「伝説のクリーチャー」登場

そして、「小学生の時、こんなことはありませんでしたか?」のナレーションとともに、二人の小学生のケースが登場する。

前半は、「忘れ物などをよくやってしまい」「授業中もポスターなどの掲示物が気になって授業に集中できない」というケース。

後半は、「ある文章をどこで区切ればいいのかわからず、朗読もまともにできない」というケース。

実は、いずれも、発達障害界隈の「レジェンド」、いわば「伝説のクリーチャー」が味わったケースである。
前者は「笹森理絵」氏、後者は「神山(こうやま)忠」氏のケース。
いずれも発達障害界隈でよくマスコミに出演される方である。

「普通(あるいは常識)」って、いったい何なの?

そして、番組に寄せられたメールや、ゲストとのトークでよく出てきたのが、
「そもそも、『普通』っていったい何なの?」
ということである。

「そんなの、普通にできるだろ。なんでできないの?」
「あんた、普通じゃあり得ないわ」
などなど、私含め発達障害当事者たちは「普通」を盾にさんざん罵られてきたと思う。
「普通」と聞いてピンとこないなら、「常識」という言葉でもいいだろう。
「こういうことをするのが常識だろ」
「常識では考えられないことをするよなああんたは」とかね…

他にも…印象に残ったところ

あるIT企業に障がい者枠で就職した従業員のケース。
「観葉植物に水をやって」と言われたら、床が水浸しになるくらいに水をやり過ぎたというエピソードが面白かった。
これも「発達障害当事者あるある」なんだよなあ…
例えば、逆にあまり水をやらなければ、「なんでやってないんだよう、あんた水のやり方もわからないのか!」と罵られるのよねえ…

ちなみに、この従業員のケースでは、「コップ●杯分の水をやって」と、はっきり「基準」を会社側が示すことにしたんだそうだ。
まさに「合理的配慮」である。

最後に

久々にいい企画の番組見たと思う。
とにかく、私にとっては言うことなし。

ただ、ツイッターなどで他の発達障害当事者が「聴覚過敏というのなら、番組内にBGMを流すこと自体やめてくれ」という声があるのを発見した。

私の場合は、視覚過敏がひどい。
最近のテレビ番組の「ひな壇バラエティ」における「原色ギトギトのテロップ」が正視に耐えない。*1
他にも刃物が駄目。刃物、特に機械系の刃物を見ることができない。

テロップといえば、今春からの「あさイチ」のテロップはやや落ち着いているね。
それまでのテロップはそれこそ「原色ギトギト」だったから。

とにかく、NHKはGJと綴りたい。
それではまた。

*1:たとえば日本テレビの「世界仰天ニュース」あたりをイメージしてください。