おはようございます。¡Buenos dias!
今回も「グループホームに住んでみた」の連載記事。
今回は「背丈の高いTさん」のことについて綴ろう。
背丈の高いTさんのこと
以前の連載記事に綴った「食パンないの~」とことあるごとにところかまわず尋ねてくる入居者。
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「背丈の高いTさん」、あるいは「Tさん」と命名、呼称することにした。
彼はいつも朝食用食パンの残り枚数を気にしているらしく、世話人さんたち、そして私たち他の入居者にいつも尋ねてくるのだ。
「ソンナニ食パンノコトガ気ニナルンダッタラ自分ノ目デ確認スレバイイノニ…」と私は思うのだが、なんか彼の場合は食パンが目的ではないような気がする。
実はコミュニケーションを取りたいのか
彼は入居者や世話人さんたちだけでなく、電話を通じて運営会社事務所のスタッフにも話をしている…というよりもまくしたてている。
彼と2ヶ月接していて思った。
「アア、彼ハ、『コミュニケーション』ヲ取リタインダナア。『食パン』ハタダノ『方便』ナンダロウナア」
実家に住んでいたころ、近所の人とあいさつするのは苦手だったが、その人が飼い犬を連れていると「ワンコ、カワイイデスネ」と話しかけやすくなる。
彼の「食パン」はそれと一緒なのではないかと思うようになった。
私同様、「話す」ことを抑圧されてきたのかも
食パンはじめ、彼が世話人さんや入居者、そして事務所スタッフに話しかけるとき、実に生き生きした表情を見せる。
そこで私は推測する。
「私同様、『話ス』コトヲ抑圧サレテキタンダロウナア…」
私の父親は、「毒オトナの条件」で綴ってきたようにとにかく私が「話す」「語る」ことを抑圧する人だった。
「素直になれ」などと言って。
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彼もまたそうだったのかもしれない。
「ねーねー、今日はこんなことがあったよ」と話しかけても、
「今は忙しいから」
「後にしなさい」
「そんな話など聞きたくない」
などと言われ続けてきたのだろう。
最後に、先週、彼が誕生日を迎えたのだが、「35歳」だと聞いて驚いている。
こんなことを言うとなんだが、ぱっと見「50代」だと思っていたから。
それではまた。