こんばんは。
今回は毒オトナの条件・第41回。
友人から勧められたライトノベルについて綴ろう。
タイトルは「女だから、とパーティを追放されたので伝説の魔女と最強タッグを組みました」…昨今のライトノベルによくみられる長ったらしいものなので「女だから、」そして本文では「本書」と略させていただく。
ネタバレも多分に含まれるので折りたたむ。
「女だから、」評~ファンタジー世界で綴られる女性・フェミニズム・毒オトナ問題
この間、NHKの「よるドラ」で、「伝説のお母さん」という「RPG的ファンタジー世界で現代社会・生活の問題を綴る」漫画をドラマ化したものが放送されていたが、本書もそれとよく似たコンセプトである。
「女だから」とパーティから追放、入試で減点、そして常に「男の添え物」であることを強いられる…
本書は、主人公の
「いやね? 俺たちもいい歳だろ。俺はいいけど、ターニャは女だから、さ。……結婚とか、出産とか。そういうの考えたりするだろ?」
(P5)
のっけから、「何言ってんの?」と言いたくなるセリフだ。
そして、女性はパーティにおいて
ほかにも女性冒険者の服装が水着や下着と見まがうばかりに肌の露出の多いものばかりだったり、ひょんなことで主人公が家庭教師をすることになった少女が「女性は入試で一律減点される」実態に直面したり、とにかく「男の添え物であることを強いられる」「自立を阻もうとしている」実態が綴られる。
まさに毒オトナ「ライアン」
そして私が一番印象に残ったのが、主人公をクビにした「ライアン」の屑っぷりである。
- 冒険においては常に他人任せ、「おいしい」ところだけをかっさらう
- その他の仕事においても同様
- ついにはクビにした主人公の代わりに若い女魔導師をパーティに加入させる
などなど、本当に「どうしようもない奴」である。
まさに毒オトナ。
以前綴った映画「スタンド・アップ」の「主人公の元カレ」とも引けを取らない。
sgtyamabuunyan2nd.hatenadiary.jp
そんな毒オトナである「ライアン」が、主人公にどのように「復讐」されるかは、是非実際に本書を読んでほしい。
私もミソジニーについて綴りたくなった
さて、本書を読み終えて、私は現在計画中の「毒オトナ国語辞典」において「ミソジニー」の項目を綴りたくなった。
それだけの示唆を与えてくれた、ということだ。
さて、あくまでも今回は「第一巻」である。
第二巻以降も本書が問うたテーマは貫かれるか、それを楽しみにしたい。
それではまた次回。