こんばんは。Buenas noches!!
今日は、NHK「ハートネットTV」で先日放送された、「障がいのある子どもと学校」の「発達障害編」について綴ろうと思う。
- 「障害者差別解消法」施行後、発達障害当事者は生きやすくなったのか
- 発達障害当事者への「合理的配慮」は、当事者だけにとどまらない成果を生む
- 子どもの発達障害は、「おそるるに足らないもの」になりつつある。「合理的配慮」を全面的に実施さえすれば…
「障害者差別解消法」施行後、発達障害当事者は生きやすくなったのか
リンク先の番組紹介文にはこうある。
障害者差別解消法が施行されて一年、こうした子どもたちが通常学級で学べるよう、学校が「合理的配慮」をすることが義務づけられましたが、必要な支援が受けられない子どもたちがまだたくさんいます。「LD(学習障害)のため板書が写せず、タブレットを使いたいが認められない」「特定の子とどうしてもうまくつきあえない。クラス替えの配慮をしてほしい」。番組ホームページには100件を超す声が寄せられています。
たしかに、「合理的配慮」に基づく発達障害者向けの適切な支援手段は確立されつつある。
しかし、その手段がわが国の社会全体に行き届いているかというと、まだまだそれには程遠い、ということがこの番組からもわかる。
番組に寄せられたコメントの中に「子どもにとって学校は戦場」ということが紹介されていた。
以前、「校庭に東風吹いて」という映画を紹介した時に、「普通と『ずれた』特徴を持つ子どもから見れば、学校という場所は『恐怖の館』である」ということを綴ったことを思い出した。
sgtyamabuunyan2nd.hatenadiary.jp
ゲストとして出演していた政権与党の国会議員、野田聖子氏*1も「発達障害者支援法を制定させた平成16年(西暦2004年)からほとんど状況が変わっていない…」と嘆いておられた。
発達障害当事者への「合理的配慮」は、当事者だけにとどまらない成果を生む
番組では、野田氏が「状況が変わっていない」と嘆いたことを裏付けるケースが紹介される。
- 学校が発達障害への理解をしておらず、ある教科担当に至っては「単語を明日までに1000回書いてこい」などと言われた。
- 自分は学校の教師をしているのだが、発達障害当事者の面倒を見ている間、他の生徒たちはずっとほったらかしになってしまう状況に悩んでいる。
などなど…
その後、発達障害当事者向けの教育において先進的な取り組みをしているケースとして、東京都日野市のケースが紹介される。
- 余計な情報が入ってこないよう、黒板わきの掲示板などにはカーテンをかける。
- 番組では国語の授業について放送していたのだが、授業でやる文章のテーマについてより深く理解を深めるための作業を「焦点化」という言葉で表現されていた。*2
こういったことを心がけることで、発達障害当事者だけでなく、生徒全員が授業への理解度を深めることに成功しているのだという。
まさに、「情けは人のためならず」という言葉があるが、「発達障害当事者への配慮は当事者のためならず、そこにいる人たちみんなのためである」といえよう。
子どもの発達障害は、「おそるるに足らないもの」になりつつある。「合理的配慮」を全面的に実施さえすれば…
日野市のケース他、「発達障害当事者への合理的配慮」をしっかり実施していれば、「子どもの発達障害」はもはや「おそるるに足らないもの」になりつつある。
しかし、わが国では悲しいかな、学校という施設は半ば「矯正収容所」的な施設になってしまっているのでなかなかこれが実施されない。
先述のように「当事者にかまけてほかの生徒はほったらかしなのか」というようなことも発生してしまうのよね。
野田氏も番組で仰っていたのだが、わが国では「少子化」という名のもとに、学校教育の予算が減少し、よって各地で学校の統廃合が進められてしまっている。
本当は「多様な特性を持った人たち」に対応した教育システムを構築しなければならないのに。
こう考えると、わが国の学校というシステムそのものが限界なのではないかと思う。
根本から変えなくてはならないのではないかと思うんだなあ。
それではまた。Adios amigos!!