こんばんは。¡Buenas noches!
今回も「毒オトナ社会の解きかた」をお送りする。
今回は先月の凄惨な放火事件がどうやら「福祉制度にあずかれなかった末の犯行」の様相を呈してきたらしいということから「毒オトナ社会の解きかた」を導きたい。
あの容疑者、やはり「生活保護ステレオタイプに基づくスティグマ」の犠牲者だったのか?
「マガジン9」の雨宮処凛氏の連載コラム、最新更新回では先月発生し、多数の死者を出した「北梅田メンタルクリニック放火事件」のことを綴っている。
ちなみに、被害を受けたクリニック、実は職場復帰を目指すクラスなども設けられており、私がお世話になったジョブコーチ氏が現在チーフ支援員となっている施設のことを連想した。
で、記事にはこうある。
それは、容疑者が昨年と数年前の2回、生活保護の申請について大阪市此花区役所に相談に行っていたものの、受給には至っていなかったということだ。
男性は土地、建物を所有していたが20年から家賃収入は途絶え、生活に困窮していたものとみられている。ちなみに生活保護は、住んでいない不動産を所有していると処分するよう言われるが、すぐに売れるわけではないので、売れる前に生活保護を利用し、売れたら保護費を返還すればいい。売れるのを待っていたら、その間に餓死してしまう可能性だってあるからだ。また、自らが住んでいる持ち家であれば、資産価値が二千数百万円ほどであれば住み続けながら生活保護を利用できる。容疑者は、このような説明を受けていたのだろうか。ただ漠然と、「不動産あると受けられないんですよねー」というような対応をされてはいなかっただろうか。(太字大文字協調は引用者)
この例のように、生活保護は「不動産を持っているからと言って生活保護受給ができないわけではない」のだが、とにかくこの生活保護制度に対するステレオタイプが多すぎるのだ。
- 土地や自動車などを持っていると受給不可能
- 普通預金に残高が残っていても駄目
- エアコンの使用もできない
などなど…
本当は生活保護にもいろいろなカテゴリーがある。
こちらのリンク先に詳しいことが綴られている。
https://www.houterasu.or.jp/app/faq/detail/01179
たとえば、車は持っていてもまともな住宅に住めないという場合は、「住宅扶助」のみを利用するなど、決して「一度受理すれば至れり尽くせりできるような制度」ではないのだ。
しかし、ここ十数年の主にネット上の毒オトナ社会、そしてそれを利用した政権与党により、「生活保護にまつわるステレオタイプ、そしてデマ」が出回るようになった。
- 生活保護受給者が車を乗り回している
- 立派な家にも住んでいる
- 海外旅行にまで行っている
などなど…
うちの父親もようマンスプレイニングで言うとった。
「生活保護で悠々自適、ぜいたくな生活しとるやつがおんねん。わかるか?おんねん」
「ソレッテ、具体的ニダレナンダヨ?」と質問しても駄目。
「俺や俺の友人の周りにいっぱいいるんだよ!」などと声を荒げる。
駄目だこいつ、早くなんとかしないと…
いい加減、「生活保護」に対するステレオタイプ、デマをやめろ!
それにしても、本当に「生活保護」にはさまざまなステレオタイプ、そしてデマが広まりすぎている。
これを何とかたださねばならないと思うのだが、その役割は前回綴った「ジャーナリズム」にある。
実際、NHKは「ハートネットTV」などで「生活保護は権利です」特集をするなど、なんとか払拭しようと取り組んでいる。
しかし、他のメディア、特に民放地上波テレビは、
「生活保護受給者は不正を働いている」
などと「告発」するような番組を断続的に放送してしまっている。
民放はこんな「ひどいことをしている連中を許すな」とデマも交えて煽る放送することで広告収入を得ている。
山本太郎衆議院議員曰く
「Dappiみたいなもんでしょ?」
ここでも、「ステレオタイプ増幅装置としてのテレビ」面目躍如だ。
もう、マスメディアを見て「知った気になる」癖をやめるべきだ
私は思うんだなあ。
本当に、いい加減に、
マスメディアを見て何かを知った気になって福祉制度や一部の社会的マイノリティを貶める癖をやめてほしい。
「水際作戦」で「自主的に」受給をあきらめさせることに携わっている連中もこの程度の「生活保護」に関する知識しかないのだろう。
私たちが積極的に意識して「正しい知識」を身に着けることしかない。
次回に続く。