こんにちは。¡Hola amigos!
今回も「与党も野党も茶番」。
最近読み終えた本の紹介をする。
鈴木元著「世の中を変えたいあなたへ」評~これは「いちご白書」か「フォレスト・ガンプ」か
さて、昨日、衆議院が解散したわけだが、その直前の臨時国会での茶番政党代表氏の代表質問はとても「怖かった」。
とても迫力のある「声色」であり、政権与党・各国務大臣に対し鋭く糾弾されているのだが、これが身内、「党所属の地方議員や一般党員」に向かったら背筋が寒くなるよなあ。
実際、党大会ではこれで辱められた人がいるんだよなあ。
sgtyamabuunyan2nd.hatenadiary.jp
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今回紹介するのは、その茶番政党を昨年、「松竹伸幸」氏とともに無念の除名処分をされた「
世の中を変えたいあなたへ 時代に向きあったある庶民の八〇年akebishobo.com
中身は鈴木氏の両親および祖父母の話、その後自身の自伝という構成になっている。
これはまさに「日本版『いちご白書』」!!
その中でも、立命館大学時代の話が全367ページ中、105ページから253ページまでの152ページと半分近くを占めており、その内容も実に「濃厚」であった。
一言で言ってしまえば、
日本版「いちご白書」。
何が「濃厚」だったかというと、高校時代「日本共産党(現在は茶番政党)」に入党された鈴木氏が「新左翼」「全共闘」と対峙したその内容である。
たとえば「全共闘」側が大学施設を不法占拠し、その施設を奪還するための闘争。
(前略)全共闘は建物の屋上などから激しく投石した。中には近所のお寺の墓石まであった。そんな中で可動式机の上にベニヤ板を乗せた防御板を頼りに近づくが、屋上からの投石で防御板は次々と破壊され、多数の負傷者を出しながらも解除は成功しなかった。(P200)
ほかにも本当にすさまじい内容が綴られているのだが、なぜ「警察を呼べばいいじゃないか」とならなかったのか疑問に感じるだろう。
そのことも本書に綴られている。
(前略)それまでの日本では、大学の自治と警察は相容れないものと考えられていた。
(中略)
ところが、この時期、六八年から七〇年代初期にかけて、大学人が想定していないことが起こった。つまり新左翼の暴力集団である全共闘が「大学解体」を叫び、暴力で校舎を占拠し破壊し、研究・教育妨害した時にどうするか、という問題に直面した。世間的常識で言えば、校舎を所有し管理している大学は、自らの責任で警察に排除させ学生・教員に教育・研究を保証しなければならない。しかし今述べたような「大学の自治と警察との関係」の理解のために、警察力によって排除するということができなかった。
(P189)
だからこそ、「学生たち」は好き勝手暴れ、「東大安田講堂事件」はあれほどの「大ニュース」になったわけである。ちなみに鈴木氏はこの事件についても一家言している。
同じ十八日の早朝、東大に八五〇〇人の機動隊が入り、午前七時頃から東大安田講堂の封鎖解除行動が行われた。これはある意味では仕組まれた劇場型の行動でもあった。
(中略)たかだか四〇〇名余りの学生が一つの建物に籠城しているのに対して、八五〇〇名の機動隊を投入し、解除が終わったのは一九日の夕方六時頃、つまり三五時間かけての解除行動であり、それをテレビで全国民に対して実況中継した。国民の眼に、東大安田講堂攻防戦は、警察(機動隊)の力の前に、東大学生たちの闘いが敗れたという印象を与えた。
最後に逮捕された学生の内訳は東大関係者約八〇名、東大以外の他大学の応援部隊が約三〇〇名で、まさに「安田講堂攻防戦」を演出するために動員された演技者(外人部隊)であった。
(P196-197、大文字・太文字強調は引用者)
とにかくもう内容が濃すぎる。あとは本書を実際に読んでほしい。
それにしても、ニッポンのマスコミ屋の間では「安田講堂事件」はじめ「全共闘」の側でしか大学紛争のことを伝えず、これに対峙した側の視点がなさすぎるなあとつくづく思う。
懐かしいNHKの番組が登場
さて、その後は夫婦生活、「日本共産党」専従職員としての話などが綴られるが、中でも妻が脳機能障害・記憶障害を患ってからの介護生活ではNHKの福祉番組「きらっといきる」に出演されたことなどが綴られ同番組の視聴者だった私としては懐かしい気持ちになった。*1
そして最後は茶番政党糾弾
最後は「終わりの始まり」と題し、最近の妻の介護のこと、そしていまや「茶番政党」と化した「日本共産党」のことについて綴られている。
茶番政党糾弾の部分は本当に愉快痛快なので引用紹介する。
実は穀田氏*2は不倫していたのである。(P349)
(前略)庶民性・大衆性を売り物にしている市田忠義副委員長は七〇〇〇万円~八〇〇〇万円する豊洲のタワーマンションを、ローンも組まず京都の自宅も売らずに購入して住んでいる。そこから中央委員会への出勤は、二〇年間に渡って運転手付きの中央委員会の車で送迎させていた。(中略)志位和夫委員長は政党の党首として自民党の岸田総裁に次ぐ年間二〇〇〇万円を超える所得を得ている。不破哲三元議長に至っては、中央委員会から住み込みのコックとボディーガード兼運転手、それに管理人の三人を自宅に派遣させて暮らしてきた。(P357)
本当にこの茶番政党は「宗教系カルト(カルト宗教)」と同じ体質なんだなあと思った。
それこそ「与党も野党も茶番」と糾弾されても文句も言えない。
この自伝はあの「フォレスト・ガンプ」にも通ずる
とにかく、私にとっての屈指の良書であった。
「世の中を変えたいあなたへ」というタイトルは、かつてのニッポンでは本当に「世の中を変えたい」と闘ってきた(あるいは暴力・利権集団と対峙してきた)時代があったこと、そして「本気で世の中を変えたいと思っている集団が実はただの利権・既得権益を守りたいだけの集団だった」ということを教えたいためのタイトルなのだろう。
この自伝、あるいは一代記は映画化もされたかの「フォレスト・ガンプ」を思い起こさせる。
とにかく、読んでほしい。
次回に続く。