ぶた猫ぶーにゃんの社会的マイノリティ研究所

私、ぶた猫ぶーにゃんの「社会的マイノリティ」について考えるブログです。主に社会的マイノリティ、そして彼ら彼女らを侮辱する「毒オトナ」について綴っています。

「憎悪ポルノ」は、こうして作られる…

夜分失礼します。Buenas noches!!

昨日、「ひきこもりセキラララ」とともに、その著者である「諸星ノア」氏との交流について綴ったが、ブログのことについて「もし何か間違っていたら訂正しないといけないなあ…」とブログを訪問してみたが、どうも私がコメントを寄せた記事が削除されている様子。
そのために、自分の認識が間違っているかどうかすら確かめることはできなかった。
一部、「浪速のドナルド・トランプ」というべき方が初めて大阪府知事になった2008年ごろのコメントは残されているようだが…
まあ、あの時彼を傷つけてしまったことは申し訳なく思っているが、だからと言って私は彼の「性・女性観」はとても受け入れることはできない。

さて、本日のツイッタータイムラインを見ていたら、Yahoo個人ニュースのこちらの記事が紹介されていた。

bylines.news.yahoo.co.jp

これはまさに、「憎悪ポルノ」コンテンツだ。
今回はこのことについて綴る。

もう一度、「憎悪ポルノ」について説明

「憎悪ポルノ」とは、昨夏NHKの「バリバラ」で身体障害・難病持ちだったステラ・ヤング氏が、「障がい者・ハンディキャップを持った者がけなげに頑張る姿を見て、『下の人も頑張ってるんだ』と溜飲を下げること」を指して「感動ポルノ」と断じたことをヒントに、「無職やHIKIKOMORIなど、『どうしようもない人間』がその屑っぷりをさらす姿を見て、『あんな人間にはなりたくないものだ』と溜飲を下げること」として私が名付けた。
こちらの記事も参照のこと。

sgtyamabuunyan2nd.hatenadiary.jp

sgtyamabuunyan2nd.hatenadiary.jp

 ホームレスがまさに「社会の汚物」扱い

詳しくは先ほど紹介した記事をご覧いただきたいが、番組では「BGM」「テロップ」「キャプション」「ナレーション」「ワイプによる出演者のリアクション」などを駆使してとにかく「ホームレスは社会の汚物」であることを掻き立て、煽ろうとしている。

これを「ポルノ」と言わずして何と言おう。

そういえば前の記事で綴った「バリバラ」にて、(番組内では詳しく触れなかったが)大橋グレース氏の発言として「(偽ドキュメンタリー番組での実例の他にも)音楽やナレーションも、また『障がい者がけなげに頑張る雰囲気づくり』として一役買っている所がある」という指摘がなされてたなあ。

記事執筆者のお弟子さんが真実を伝えようとしていた

なぜ、こういうテレビ番組の「憎悪ポルノ」に憤っているかといえば、記事執筆者である水島宏明氏のお弟子さん(大学のゼミ生)が、まさに「憎悪ポルノの被写体」の一人を取材していたからである。
僭越ながら、記事の一部を引用する。

 直接の面識はないのだが、昨年、私のゼミに所属する21歳の女子学生が「ドキュメンタリーを制作する」という授業でこの男性を数ヶ月にわたって取材していた。

 この女子学生は最初はカメラを向けるのを断られていたが、何度か通ってお願いするうちに撮影することを承諾してくれたという。

 この女子学生が制作したドキュメンタリーは、「犬男爵」でも「化け物」でもなく、人間社会に見捨てられたペットたちが殺処分されるのに心を痛めている心優しい男性が登場する作品だ。

本当に、取材者の「調理」次第で取材対象は「真実を映すもの」にも「憎悪ポルノ」にもなり得るということがよくわかるわ。

なぜ「憎悪ポルノ」を作るのか

しかし、「多摩川リバーサイドヒルズ」だとか「犬男爵」とか、まさに「ポルノの煽り文句」とでもいうべきものが次から次へと出てくることには唖然とさせられる。

そういえば、玄田有史氏が編み出した「NEETニート)」という言葉も、本人は「問題提起」として編み出したのかもしれないが、結局は「憎悪ポルノの煽り文句」として消費されるだけだったなあ…*1

そもそも、なぜ「憎悪ポルノ」というべきコンテンツをメディア関係者は作るのか。

ひとえに「数字」がほしいからだろう。

視聴率、PV数、クリック回数etcetc…

各種メディアは慈善事業ではない。「数字」を稼ぐことで広告料その他収入を得なければならないのだ。

しかし、こんな「受け手の側に嫌悪感しかもたらさないコンテンツ」ばかり作っていたら、広告料は得られるかもしれないけれど、「受け手の信頼」は逃げ去っていくと思うのだがなあ…

そう言えばこの間、あるアルファブロガーが「『CMは偏差値40くらいの人にも理解できるものじゃなきゃダメだ』と言われた」とかいう内容をツイートしていたようで…
CMだけではなくテレビ番組も同様ですね。
「感動ポルノ」「憎悪ポルノ」「愛国ポルノ」etcetc…

それではまた。

*1:最近は「NEET」という言葉も国際共通語としての「HIKIKOMORI」に包摂されつつある。HIKIKOMORIは「社会不適応」を意味する単語として使われているからだ。