ぶた猫ぶーにゃんの社会的マイノリティ研究所

私、ぶた猫ぶーにゃんの「社会的マイノリティ」について考えるブログです。主に社会的マイノリティ、そして彼ら彼女らを侮辱する「毒オトナ」について綴っています。

障がい者の生存権を否定するコメントの主の名前「必殺仕事人」について。

こんにちは。Hola amigos!!

先週、NHK「ハートネットTV」で放送されていた「相模原市・例の殺人事件」について「1年経った今、もう一度考えよう」という趣旨で、広くネットなどから意見を集めていたわけだが、番組開始直後に「必殺仕事人」を名乗る人から、

障害者は私たちプロの社会人戦士から見たら目障りかつ邪魔以外何者でもありません。
お願いですから障害者はこの世からすべて消えてください。

という投稿が紹介された。

「プロの社会人戦士」とか自称しているのもさることながら、

「必殺仕事人」

というハンドルネームが私にとって「なんとも象徴的だなあ」と思わせてくれた。

「必殺仕事人」は、言うまでもなくテレビドラマ(時代劇)のシリーズなのであるが、私が以前からブログで綴っている「憎悪ポルノ」の手法をふんだんに採用している。

もう一度「憎悪ポルノ」について解説

「憎悪ポルノ」というのは、以前「バリバラ」という番組で「感動ポルノ」という言葉が紹介されたことをきっかけに、私が作った言葉である。

「感動ポルノ」が、障がい者や母子家庭など「何らかのハンディキャップを抱えた人」が健気に頑張る姿を見て「感動した。『下の人たち』もあんなに頑張っているんだ」などと視聴者が受け取る様を言うのであるが、「憎悪ポルノ」はその逆で、「とにかく人間的にどうしようもない奴」がエラそうことを言っていたりいろいろ酷いことをやっているさまを見せつけて「ああ、あんな人間は『社会的制裁』を食らわせてやるべきだ」と視聴者に思わせることである。

「必殺仕事人」の構図

「必殺仕事人」は、とにかく「この世にはびこる悪」を、普段は市井でいろんな仕事をしている人たちが「暗殺者」となって成敗する内容なのであるが、とにかく「成敗」対象の悪者たちの悪行をこれでもかこれでもかと見せつける。

殺人、贈収賄悪徳商法、性暴力、なんでもござれ。

こういうものを見せつけられると、視聴者は「うおー、悪者ども絶対に許せねえなあ、誰か『なんとか』してくれればいいのに…」という気分にさせられる。

そしてこういう悪行をさんざん見せつけられた後、いよいよ「仕事人」の登場である。

彼らはこういう悪者たちを、悪者以上に「惨たらしい方法」で殺す。

これで、「ああ、悪者は成敗された。スッキリしたなあ」と感じるわけですなあ。

ちなみに、同じチャンネルで「ザ・ハングマン」という現代劇のテレビドラマもあったが、「必殺仕事人」をモチーフにしていることで知られている。*1

仕事人たちは「善意」で仕事をしていない

もうひとつ、「必殺仕事人」について象徴的なところが、「仕事人たちは『善意』で仕事をしていない」ということである。

「仕事人」メンバーが一人ずつ小判を手に取っていく姿を覚えているかと思う。
要は報酬を受け取っているわけですなあ。

逆に言えば、「お金を払わないと助けてくれない」ということである。
現実は厳しい…

いつ自分たちも「悪者=殺害対象」にさせられるかわからない…

話を戻そう。

障がい者はこの世から消えてください」とか言うような人間に、私自身「命の危険」を感じてしまう。

私は現在の仕事に就くまで「NEET」「HIKIKOMORI」と言われるような人間だった。
実際3DSの「すれちがいMii広場」で、「死ねよ糞NEET」とか「こべつメッセージ」で言われたことがあった。*2
「在日外国人」はもっと恐ろしい思いをしていることだろう。いわゆる「ヘイトクライム愛好家」たちに「殺してやるぞ」と息巻かれているのだから…

「HIKIKOMORIたちの人権を制限してでも矯正を…」という意見に対して不快に思うのも同じ理由である。

「自分は殺害対象の属性はない」と思っている人は気を付けたほうがいい。
悪者=殺害対象がはっきりしているテレビドラマと違い、「殺害対象にするかしないか」の基準なんて簡単に変わってしまうから。

それではまた。

*1:こちらでは、悪者たちを地下室に閉じ込めてこれまた惨たらしい拷問にかけて自白を強要する。

*2:受信した場所や時間から、私の人となりを知っている人からだと思われる。