おはようございます。¡Buenos dias!
今回も毒オトナの条件を綴る。
昨日、死刑判決が下されたあの人のことを綴る。
結局、あの人も数ある毒オトナの一人でしかない
昨日、相模原市殺傷事件の被告に死刑判決が下された。
もう死刑を持って臨むしかないだろう…死刑制度には反対だが。
この被告人については、「雨宮処凛」氏が「マガジン9」で何度か傍聴記を綴っているが、はっきり言って「数ある毒オトナのうちの一人でしかない」という印象を受けた。
陰謀論に基づくステレオタイプを開陳
こちらの記事で、被告人が述べたことに私はあっけに取られてしまった。
植松被告は、はっきりと言うと、続けた。
「ひとつは、ヤクザは、お祭り、ラブホテル、タピオカ、芸能界など様々な仕事をしています」
思わず傍聴席の椅子からずり落ちそうになった。タピオカ? しかし、植松被告は堂々とした様子で話し続けている。
「ヤクザは気合いが入った実業家なので、罪を重くすれば犯罪がなくなります。しかし、つかまるのは下っ端なので、司法取引で終身刑にすればいいと思います。刑務所の中で幸せを追求することはできます。その方が生産性が上がります」
「実はヤクザの資金源」…典型的な陰謀論脳だ。
ヤクザだけではなく、あるいは「中国」や「北朝鮮*1」の資金源だとか喧伝するのは毒オトナの「生態」といっていいだろう。
はっきり言ってただの「ステレオタイプに基づく決めつけ」でしかない。
sgtyamabuunyan2nd.hatenadiary.jp
事件以降も著名な毒オトナたちが似たような論を展開…被告人は「まっすぐ」過ぎた
例の事件以降も、評論家など著名な毒オトナたちによる、被告人の持論を支持しているとしか思えない言動が相次いだ。
- あるフリーアナウンサー氏が、人工透析を受けている患者に対して「金食い虫だから全額自己負担にせよ、払えなければ死ね」と綴る
- ある政権与党の女性国会議員が、「LGBTなど性的マイノリティには生産性がない」などと雑誌で綴る
などなど…
実際、被告人のツイッターアカウントには、「毒オトナの著名人」たちを多数フォローしていることがわかっている。
植松被告のツイッターには、安倍晋三、百田尚樹、橋下徹、中山成彬、テキサス親父日本事務局、ケント・ギルバート、上念司、西村幸祐、つるの剛士、高須克弥、村西とおると、ネトウヨが好みそうな極右政治家、文化人がすらりと並んでいたが、こうした思想に大きな影響を受けたのは間違いないだろう。
思えば、この被告人はあまりにも「まっすぐ過ぎた」と思う。
うまいこと立ち回っていれば、上記の「毒オトナの著名人」の仲間入りをしていたと思う。
「すさまじいブログ」ぼそっと池井多氏も過去記事でこう綴っておられるし。
今、もしかりに植松被告がそのような「思想」を抱いたとして、それをあのように殺傷行為というかたちへ発現するのでなく、言葉によって作品化していたら、どんなに違っていたことだろう、と私などは思うのである。
「言葉によって作品化していたら」…
まさに毒オトナの著名人たちが実行していることであり、「立ち回り」である。
被告人を死刑にして終わりではない。「毒オトナの存在」そのものを問題にせよ
むろん、被告人を死刑にして「はい、おしまい」にしてはならない。
繰り返すが彼は「数ある毒オトナのうちの一人」でしかない。
よくRPGの魔王などが「私を倒したところで第二・第三の魔王が現れるだろう*2」とのたまうが、そういうことである。
毒オトナの存在、そしてニッポン社会に蔓延する「毒」を、問題にしなければならない。
それではまた。