こんばんは。Buenas noches!!
昨日、TBSの「ニュース23」にて、「HIKIKOMORI矯正収容所の運営業者」のことが報道された。
番組では例によって「54万人」という数字が紹介されたが、きちんと「15歳~39歳までの数字」「これより上の年齢のHIKIKOMORIも存在する」旨のことを伝えたのはとてもいいことだと思う。
以下、長くなるので記事を折りたたみます。
- 「元・県警警部」の触れ込み
- 親への不安をあおることしかしない。そして高額の料金請求
- やはり「HIKIKOMORI矯正収容所」という表現は誇張ではないことを確信
- 「信頼度No.1」は単なる口から出まかせであることを自ら暴露
- 「HIKIKOMORI矯正収容所」にすがる必要など、まったくない!!
#ひきこもり の人の #自立支援 をうたい #高額料金 を請求する団体で #トラブル続発。部屋からの #連れ出し や施設脱出の防止策など特異な実態を被害を訴える若者や元職員が証言しました。団体のホームページにも疑問が…。直撃取材に団体代表の答えは?渾身の #追跡 是非ご覧下さい。 pic.twitter.com/l2jtSOV8QJ
— news23 (@news23_tbs) 2017年5月1日
「元・県警警部」の触れ込み
報道では、まず「元・県警警部が運営」「業界信頼度No.1」などが踊る公式ホームページや、その「元・県警警部」が「HIKIKOMORIのことはお任せください。ここに相談されたことで、もうこの問題は解決に向かっている」旨のことを伝えるメッセージ動画などが紹介された。
同ホームページに掲載されていた「HIKIKOMORI当事者の声」が、実は東京都が実施している「HIKIKOMORI支援・相談窓口」に書かれているそれのコピペであることが濃厚だとも紹介されていたがそんなことは些細なことなのだろう。
こちらがコピペ元と紹介された東京都の相談窓口ホームページ。
それにしてもこの手の「矯正収容所」の運営者は「元警察or民間警備会社」というのが多いなあ。
親への不安をあおることしかしない。そして高額の料金請求
「矯正収容所」に入所させられていた当事者およびその両親も登場するが、両親に対して「矯正収容所」職員が吐いたセリフがこれまた…
- 犯罪者予備軍
- このままだととんでもないことになるetcetc…
と、とにかく不安をあおることしか言わなかったよう。
そして料金は「90日間で500万円以上」。
後述するが「業界団体」もなければ「業界標準」もないわけだから、いくらでもぼったくれるわな。*1
やはり「HIKIKOMORI矯正収容所」という表現は誇張ではないことを確信
そして、当事者は「矯正収容所」に連れていかれるのだが、親への説明は「きちんと説得してから連れていきます」と言っていたのに、職員は半ば強制連行という形で連れて行ったのだという。
窓には内鍵がかけられ、ケータイなども没収。*2
「矯正収容所」では「社会参加への支援」なんてほとんどしていなかった。
当事者から両親のケータイに送られてきたショートメッセージが本当に痛々しかった。
職員への指導もとにかく「監視」の一言のみ。
やはり「矯正収容所」の表現は誇張ではないということを私は確信した。
「信頼度No.1」は単なる口から出まかせであることを自ら暴露
報道の最後に、「元・県警警部」らしい経営者への突撃インタビューがあった。
その中で、公式ホームページに記載している「信頼度No.1」という文言は「口から出まかせ」であることを自ら暴露した。
というのも、「HIKIKOMORI矯正収容所」の業界は「業界団体」もなければ「業界標準」もない、まさにやりたい放題の無法地帯だからだ。
その後、今まで取材してきたことを率直にぶつけるが、経営者は「あとで事務所から伝えるから…」の一点張り。
むろん、「あとで伝える」ことはなかった。
「HIKIKOMORI矯正収容所」にすがる必要など、まったくない!!
それにしても、なぜ「HIKIKOMORI矯正収容所」にすがろうとする人が後を絶たないのだろうか。
それは、相談者*3が、当事者に本気で向き合おうとせず、当事者が抱える問題に対し「ふたをしたい」「なかったことにしたい」と思っているからだ。
「ていのいい押し付け先」ができれば、すくなくとも相談者はせいせいするだろう。
ゆえに、どんなに高額料金を吹っかけられても素直に支払おうとするのである。
元・HIKIKOMORI当事者としてはっきり言う。
「HIKIKOMORI矯正収容所」にすがる必要など、まったくないのだ、ということを。
弊ブログにコメントを寄せられたある方は、「当事者が『気づく』のを待つということは『問題の先送り』『逃げの一手』なのではないか」と仰った。
しかし、私に言わせれば、「HIKIKOMORI矯正収容所」にすがることこそ「問題の先送り」「逃げの一手」だと思う。
相談者が当事者に対して「自分たちが間違っていたのではないか」と顧みるプロセスが全くないからなあ。
ゆえに信頼関係の修復も進まないし、当事者はさらにHIKIKOMOるだろう。
崩壊し、長年放置されてきた「当事者との信頼関係」は、同じ時間をかけて修復するしかないのである。
それではまた。恋人は今日からマカオに行っております。