こんばんは。Buenas noches!!
今回は「就職氷河期戦線異状あり」の番外編としてあるエピソードを綴ろうと思う。
番外編第1回「ミソジニー暗黒面に陥りかけた『男は採らない』」
私は以前の記事で、このようなことを綴った。
あれから数年が経った。
非正規雇用ではあるが、私は職場に定着することができた。
むろん、HIKIKOMORI時代は女性に対して敵意を抱いていたこともあった。
しかし、それでも「女性をめちゃくちゃにしてやりたい」と倒錯した感情には陥りたくなかった。
諸星ノアの「性欲」と「女性観」への腹立たしさ。 - 豚猫大好きぶーにゃんの社会的弱者研究所
今回は、太字強調したことについて綴ろうと思う。
ハローワークの求人票から、「男性●人、女性×人」という表記が無くなった
私が初めてアルバイト探しにハローワークを訪れたとき、求人票には「男性●人、女性×人」という表記があった。
「あ、これは女性を募集しているんだな」と見分けをつけることができた。
その後、西暦2000年ごろだったかなあ、いわゆる「男女雇用機会均等」という名のもとに、「男性●人、女性×人」という表記が消えて「採用予定●人」という表記がなされるようになった。
そうすると、私にとっては困ることが起こってしまうのであった。
「申し訳ないですが、先様は女性をご希望です…」
自分が「これは自分にも合っていそうだ」と思って求職窓口に求人票を提出する。
紹介状を発行してもらうためだ。
私は主に、コンピューターの入力を得意としていた。
出来ればオフィスでの事務作業を希望していた。
しかし、この手の求人票を窓口に提出すると、必ずと言っていいほどこういわれた…
「申し訳ないですが、先様は女性をご希望です…」
おい、「男女雇用機会均等」のはずだろうがよ…
どうやら私に適性のある職種はどれもこれも、
「女性向け」
とされていた。
そして、求人票を持っていくと上記の返答をされた。
ミソジニーの暗黒面に陥りかける
当時、「女性専用車両」が主にネット上で叩かれ始めていた。
「なんで『女性専用車両』だけ作るんだ。せめて『男性専用車両』も作れよ」
つまり、「女性の側ばかりが優遇されやがって」という「異議申し立て」である。
むろん、女性専用車両はきっかけの一つに過ぎない。
要は「女尊男卑」の風潮が許せないのである。
そして、当時の私にとっても同意できる点が多かった。
「男性向けとされた職場に女性が進出するのはOKなのに、女性向けとされた職場に男性が進出するのはNGなのか!?」
たとえば助産師ならまあわかる。
出産を扱う以上、女性器と接することもあるのだから。
しかしオフィスの事務作業などで男性が断られる理由なんてないはず。
表には出さないものの、私は女性に敵意を抱くようになった。
ミソジニーの暗黒面に陥りかけた。
ミソジニーの暗黒面から救ったのは「大佐」だった
数回の就職失敗の後、私は「精神障害向けの地域活動支援センター」に通い、「大佐(精神保健福祉士)」に出会った。
大佐は、私の思うことを受け止めてくれた。
大佐が語ったのは、
「あなたには理不尽なものもあるかもしれないけど、あらゆる社会制度には『理由』がある」
ということだった。
たとえば、事務作業を男性がとってしまったら、女性の枠が無くなってしまう、ということを話してくれた。
納得は出来なかったが、「理由」を言われると、「それも確かにそうだなあ」と考えてしまうものである。
大佐が打ったのは逃げの一手かもしれないが、それでも私が「ミソジニー暗黒面」に陥らないようにするには十分なものだった。
あれから10年くらい経ったが、私は「女性にやさしく」という気持ちを忘れないようにしている。
それでは。